ミニ岩石園を作ろう(小学校向け)
多くの小学校では,岩石園が設置されているが,岩石名がすぐわからなかったり,結晶片岩等小学校段階での学習には不向きな岩石が多く配置されていることが多い。そこで,理科室,教室等の小さなスペースに設置し,児童が自由に岩石を手にとって観察できる写真のようなミニ岩石園を紹介します。
- ミニ岩石園の概要
右図のように岩石の説明パネルと岩石がセットになっています。岩石標本は,図のような岩石分類図の上に適当な大きさに切断したものを置きます。また,岩石は観察しやすいように,切断面を研磨してニスを塗ります。岩石の種類としては,堆積岩が基本的な礫岩,砂岩,泥岩の3種と生物起源の石灰岩,チャートの計5種類,火成岩が深成岩の代表として花こう岩,火山岩として安山岩の2種類,また,教科書には出てきませんが,徳島県に多く産出する結晶片岩(変成岩)の8種類の岩石を用意しました。
- 製作方法
- 岩石説明パネルの製作
(1) 準備物
・透明塩ビ板(1mm)305mm×430mm ・発泡スチロール板305mm×430mm
・アルミ枠 315mm×2本,440mm×2本 ・組立金具1セット
・説明図(グラフィックスソフトを使い岩石の写真等を貼り付けて製作し,カラーインクジェットプリンターで出力したもの。当センターではA4サイズまでしか出力できないので,分割印字した2枚を張り合わせてA3サイズにする。)
(2) 製作方法
ア
発泡スチロール板の上に説明図を置き,その上に塩ビ板を置く。
イ 4角に組立金具を当て,その上から切断済みのアルミ枠をかぶせてビス止めする。
- 岩石標本の製作
(1) 準備物
・岩石資料(礫岩,砂岩,泥岩,石灰岩,チャート,花こう岩,安山岩,結晶片岩)
・透明塩ビ板(2mm)280mm×200mm
・白塩ビ板(2mm)198mm×40mm:2枚,278mm×40mm:2枚
・岩石分類図(これもパネル同様グラフィックスソフトで製作しカラープリンターで出力した)
・スプレー糊 ・水性つやだしニス ・筆
(2) 製作方法
ア 塩ビ板を箱形に組み立てる。
イ 底から分類図をスプレー糊で貼り付ける。
ウ 岩石標本の研磨した切断面に水性つやだしニスを塗る。
※ ニスを塗る理由は,切断面を簡単に研磨した場合乾燥すると組織が見にくくなるが,ニスを塗ると常に濡れたような状態となり観察しやすいからである。