[地質案内]
バイパスから旧道へ入ると観察できます。道が広くなっているところがあるので大型バスでも入ることができます。
A地点は,セメント工場になっており,砂泥互層した地層の遠景が観察できます。
バイパス東側の旧道沿いにあります。バイパスから眺めることもできます。大規模に山が削られ,遠くから眺めることができ,泥岩を薄くはさむだけで,ほとんどが砂岩層からできているため白く見えます。
大規模な採石場で,このルート上で最も観察に適しています。本地点は現在も採石しているので,ダンプ等が頻繁に出入りし,大型のシャベルカーが稼働しているので,観察に際しては,事前に許可を得て,十分注意して行いたいものです。
本地点の岩相は今まで見てきた場所とよく似ているが,やや泥岩の割合が多くなってきます。また,採石場に入ったすぐ北側,道路に面した露頭に,白い凝灰岩が露出しています。ハンマーで割ってみると,明らかに砂岩と違うことが分かります。和泉層群では,所々で薄く凝灰岩をはさみ,鍵層となっています。この凝灰岩をよく観察すると,正面奥の露頭に続いている様子が観察できます。また,凝灰岩の露頭の横では,地層が折れ曲がっている様子が観察できます。これは,すぐ北側のバイパス沿いの路頭でも観察できます。周囲の地層は褶曲しておらず,部分的に地層が曲がっています。このような褶曲は,層内褶曲と呼ばれています。層内褶曲は,造山運動による一般的な褶曲と違い,周囲の地層は,整然とした走向傾斜を持っているのに,はさまれた一部の地層だけが図のように折れ曲がっているものを言います。これは,大陸斜面に堆積した未固結の堆積物が,地震などの影響で発生した海底地滑りにより,海底に再堆積して生じた構造だと考えられています。網干島も含め,和泉層群内ではよく見られる構造です。