駐車場から海岸へ降りることができます。海岸へ降りるとA地点では,写真のように地層面がそのまま崖の傾斜となり露出した砂岩層が観察できます。海の方を見ると,砂泥互層が観察できます。砂岩は泥岩に比べ硬いため風化・浸食に強く,写真のように砂岩部分が出っ張り,周辺の走向傾斜が調和的なので,地層の走っている方向がよく分かります。大鳴門橋の方向を見ると小島が見えますが,本地点と同じように砂泥互層の地層が傾斜している様子が観察でき,同じ地層が続いていることが理解できます。
ここでは断層を見学することができます。写真から分かるように,ずれの小さな断層ですが,砂岩層の続き具合を追いかけると,明瞭にどれくらいずれているかがよく分かります。本地点では,砂岩層1枚程度(20cm)ずれています。大断層の周辺では,岩石が破砕され断層本体の観察は難しいのですが,断層の様子を観察するのにこの場所は,最適です。
また本地点で砂岩の単層をよく観察すると,級化層理が観察できます。粒径の異なる砂が同時に堆積した場合,大きい砂ほど先に沈降するので,このような構造ができます。級化層理の観察をする時,直径5cm,長さ1m程度のアクリル管に大きさの異なる砂を1/3程度入れ水で満たし,両端をゴム栓で止めた装置を持参し,現地で実験すると級化層理について理解させることができます。よく振ってから立てると,砂岩層の級化層理と同じように,大きい砂から堆積する様子が観察できます。
B地点から巨石の上を抜けると,Cの転石海岸へ出ます。ここでも見ごとな砂泥互層が見られます。今までと比べると少し,泥の割合が多くなってきます。