カイコの成長のようす       

カイコを飼育して
孵化から産卵までのようすを観察しました

黒い糸くずのようなものが
「孵化」(ふか=卵から出てくること)したすぐの一齢幼虫(いちれいようちゅう)
毛がはえているので「毛蚕(けご)」と呼ばれるそうです
「ぐんま黄金」という品種です
中央の四角い紙は養蚕試験場から送ってもらった
卵の産み付けられている台紙です
直径1mm弱の卵が約500個ついています
すぐにクワの葉を小さくきざんで与えます
昔はクワの葉の上に生まれたばかりのカイコをはけで
はきおろしたので「掃立(はきたて)」というそうです
生まれて4日目
それまでクワの葉を食べ続けていましたが
食べるのをやめてじっと動かなくなりました
1回目の「眠(みん)」に入ったのです
次の日「脱皮(だっぴ)」しました
いちだんと大きくなって
「二齢幼虫(にれいようちゅう)」の段階に入りました
またもりもりクワの葉を食べはじめました
生まれて8日目
2回目の「眠」と「脱皮」を終え「三齢幼虫」になりました
クワの葉は一日で食べつくしてしまうので
毎日新鮮な葉を刈り取ってきて与えなければなりません
また食べかすやふんを毎日掃除します
生まれて12日目
3回目の「眠」と「脱皮」を終え「四齢幼虫」になりました
たくさんのカイコがクワの葉を食べているので
かすかに雨降りのときのような音がします
中心の一匹は最後の「脱皮」をして
「終齢幼虫(しゅうれいようちゅう)」になるところです
この頃には食べる量も多く
朝と夜で大きさが違うのがわかるほどです
生まれて21日目
体長約7cm体重約3.5gです
体の色が透明っぽくなって
上を向いて糸を吐きはじめると「熟蚕(じゅくさん)」になったしるしです
まゆを作るためのへやを用意します
カイコはわくがないとうまくまゆを作れません
厚紙でカイコがまゆをつくるための団地=「まぶし」を作りました
生まれて23日目
カイコは「まぶし」によじのぼり
口から糸を出して足場を作りました
そして最後のふんと「おしっこ」をしてから
「まゆ」を作り始めました
「まゆ」の形ができてきました
まだ中で懸命に糸を吐いてまゆを作り続けているカイコのようすがすけて見えます
「ぐんま黄金」という品種の作るまゆは黄色です
ほとんど完成した「まゆ」もあれば
まだこれから「まゆ」を作る場所を探している幼虫など
さまざまです
わくのないところでまゆを作ろうとしても
お皿のようになってしまい
うまくゆきません
こちらは白いまゆを作る品種なので糸は白いです
わくがないところでまゆを作れなかったカイコも
糸をはき終わると「さなぎ」になろうとします
まゆが完成して5日ほどで
カイコは中で脱皮をしてサナギになります
まゆの中は見えませんが
中のカイコもきっとこんな「さなぎ」のすがたになっているはずです
まゆが完成してから10日後
まゆを溶かして穴をあけ
「成虫(せいちゅう)」になったカイコが「羽化(うか)して出てきました
カイコは「蛾(が)」のなかまなのです
成虫はほとんど飛べませんが
うまく相手を見つけて「交尾(こうび)」をします
雌(めす)がフェロモンというにおいの物質を出すので
それをたよりに雄(おす)が雌をさがしあてるそうです
「交尾」を終えた「雌(めす)」は「産卵(さんらん)」します
生んだばかりの卵は黄色いです
卵は気温にもよりますが2週間ほどでかえります
「孵化」直前になると灰色に変わります